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フォレストジェイル探索日記
世界樹の王オーダイン


24:雪舞ノ樹氷の彼方へ・2

某月某日:ラプシー記す

 結局、巨人との戦いからは、ノクトさん達は無事に戻ってきた。

 だけど、樹海の戦いは本当に大変になってきて、もうボクなんかじゃ役に立たないかもしれないくらいになっているみたい。みんな帰ってくる度にボロボロで、誰かを護ってる余裕なんかもないみたい。後列にいれば前列よりはマシ、なんて言っていられるわけでもないみたいなの。
 ボクは、いなくなっちゃったみんなを捜しにいけないのかな。
 がっくりしてると、ノクトさんが、ボクの頭の上にてのひらを、がつんと乗せてきた。で、ぐりぐりぐりって、頭をぐしゃぐしゃにしてきた。何も言わなかったけど、ボクには、「心配するな」って言ってるように思えたんだ。

 結局、どういう状況かっていうと。
「アリだー!」
「カメェェェェ!」
「クマー」
 ……よくわかんないけど、そのあたりが三大強敵みたい。
 それでも、少しずつ地図が埋まっていくところからすると、戦える人はやっぱりすごいんだなって思う。
 そうだ、ひとつ気になる話を聞いたんだ。
 例の巨人、結局、生き物だったっていう。
 ただ、それもちょっぴり『?』ってところがあって――どういうことかっていうと、肺とか心臓とかそういうものが、あるにはあるし動いてるんだけど、――なんかボクには上手く説明できない。だから、フィプトせんせいに書いてもらおうと思う。

(ここからフィプトの字)
「生命っていうのは、炭素を中心としてできているそうです。まぁ、前時代の記録からの聞きかじりなんで、まだ証明はされていないんですけどね。確かに、にわかには信じがたい話ですよね。あの炭とかと、我々生物が、同じモノでできているというのは。今は、その記録が『正しい』ということにして話を進めましょう。
で、前時代では、炭素を中心に生命体ができているなら、他の材料を中心にした生命体も存在するんじゃないかって仮定がされていたそうです。で、その一番の候補が、珪素っていう、岩や砂の一種だったらしい。なぜそんな仮定に至ったのか、今の我々には想像する術もないのですが、とにかく、いろいろな想像がされたようですよ。
その中に、岩石のように見える生命になるんじゃないか、という説があったそうです。今回の巨人もその類だとしたら、実に興味深いじゃないですか。
まぁ、現在では、きっちり研究しようにも技術不足でしょうがね」
(以上、終わり)

 やっぱりわかんないや。これを読む人の誰かはわかるのかな。

 あ、でも、ボクにもわかるところでも不思議なことがあってね。
 巨人の表面にあった模様が、十階の門にもあったらしいんだ。
 つまり、門と巨人には、関係があるってことだよね。
 それくらいならボクにもわかるよ!

Forest Jail Diary 24

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